第15回日本臨床救急医学会を平成24年に熊本にて主催するにあたり、ご挨拶を申し上げます。このたびは、東日本大震災におきまして被災されましたみなさまには心よりお見舞いを申し上げます。また危険を顧みず現地にて救助、救急医療に従事されました関係各位に、深く敬意を表します。
さて、第15回の学会は『救急医療、accessibility and quality』をメインテーマとさせていただきます。その意図は、救急医療サービスを受ける患者(傷病者)にとっては、病状に応じた受入れ可能医療機関を素早く見出し、できるだけ短い時間で受診できること(アクセスがよいこと)がきわめて重要であります。そして、たとえ時間外であっても、間に合わせの医療ではなく、受診者の満足が得られる質の高い救急医療を提供できる体制も求められています。いずれも、現状では厳しい状況にあると言わざるを得ませんが、将来の救急医療を明るいものにするために、知恵やアイデアを出し合い議論を行っていただきたいと思います。